『英雄の書』

宮部みゆきさんの最新のファンタジー。ネタバレをしないで、この本のよさを紹介するのは難しいのです。書評はえらいなと思います。

主人公は11歳、小学校5年の女の子。「英雄」が引き起こす事件をきっかけとし、書物に導かれアナザーワールドへ旅だつ。そこで起きたことから、私はひとつ気づきをえることができました。

宮部さんらしく、主人公の心の動きの描写はとてもうまく、秀逸に思います。帯にある「そこは禁忌の地」(上)、「我々は、咎人なのだ。」(下)、このことばにつきると思います。

宮部さんの『蒲生邸事件』も世界観をゆるがす気づきがありました。この本もそうです。数々の傑作を描いている宮部さんにしては、いくつか物足りない点があり、それは、アマゾンの書評にもあるとおり、連載小説だったせいかもしれませんが、それでもなお、この本はぜひ読んでみるといいとお勧めします。

英雄の書 上

英雄の書 上

英雄の書 下

英雄の書 下